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全てはありのままの自分と ES1
東大工学部の3年生だった1982年のある日、群馬の大学病院に勤める脳神経外科医の父から電話があった。

ちょうど東京にきているから夕食を一緒にどうだと誘われた。

突然の誘いに初めは断ったが、あまりにもしつこく食い下がるので了解し、父が泊まるホテルヘと出かけていく。


自信家で声が大きく、階段を上るだけで家が揺れるような存在感のある父と、幼い頃からいじめられっ子で気弱な自分とは全く対照的だった。

「何事も一流じゃなければ意味がない」が口癖の父に反発し、それまでほとんど口もきいたことがなかった。

久しぶりに会ってみるとその日の父はまるで別人だった。


穏やかですっかり丸くなった父は、内気で一発勝負に弱いと悩む息子の相談を優しく聞いてくれ、さりげなく「あんたは優しいんだから、そのままでいいんだよ」と認めてくれた。

思いがけない一言だった。

その時初めて、父と心から語り合えたと思った。


翌朝、けたたましく鳴り響く電話で目を覚ました。

声の主は母だった。

そしてその声は明らかに動揺していた。

昨夜、夕食をともにしたばかりのホテル・ニュージャパンで火災事故が起こり、父が行方不明だという。

突然の父との別れはあまりに衝撃的で、その後7年ほどその事実を受け入れることがでなかった。


なんとか大学を卒業したものの、定職にも就かずパチンコに明け暮れ、いまでいうフリーターになっていた。

目的もないまま、1年以上怠惰な毎日を過ごす。

やがてサラリーマンになったものの長続きせず、何度か転職を繰り返すうちに何もかもが嫌になり、29歳の時ついにひきこもりになる。

精神科医から轡病と診断され、一日のほとんどを寝て過ごし、3日に1度コンビニに食料を買いに行く生活を続けた。

しかし、そんな中でも時間だけは流れ、いつの頃からか事故で受けた影響が徐々に薄れていき、ようやく父の死と向き合えるようになっていく。

そして、この頃医者になりたいと思うようになった。


東大卒、パチプロ、フリーター、ひきこもりから医者、そして作家という道を歩むようになる川渕圭一(かわふち・けいいち)さんの人生です。


次に続く!



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テーマ : 生き方
ジャンル : ライフ

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(非公開コメント受付中)

No title
おはようございます!

自信家で声が大きく・・・私の父と重なります^^;
父は医者ではありませんが、何でも自分の言うことを利かせないと
気が済まないタイプですので、やはり同じような方がいらっしゃるんですね(^^ゞ
普通は年を重ねる毎に性格が丸くならなくてはいけないはずが、次第に
頑固さが増し、だんだん意固地になり、ますます周りの助言も耳に入れなくなって
来ています・・ということは、まだまだ長生きするという意味でしょうかね(^^ゞ
人間何処の段階で自分の天命を知るかは分からないものですね。
こういう貴重な体験談を伺うと、まだまだ頑張れる、一花咲かせられるかも・・という気持にさせられます^^

ホテル・ニュージャパンの火災・・ありましたね。
あの頃のお話でしたか・。

応援凸
Re: No title
ぴーちさん、こんばんは ♪

いつもコメント有難うございます。

> おはようございます!
>
> 自信家で声が大きく・・・私の父と重なります^^;
> 父は医者ではありませんが、何でも自分の言うことを利かせないと
> 気が済まないタイプですので、やはり同じような方がいらっしゃるんですね(^^ゞ
> 普通は年を重ねる毎に性格が丸くならなくてはいけないはずが、次第に
> 頑固さが増し、だんだん意固地になり、ますます周りの助言も耳に入れなくなって
> 来ています・・ということは、まだまだ長生きするという意味でしょうかね(^^ゞ
> 人間何処の段階で自分の天命を知るかは分からないものですね。
> こういう貴重な体験談を伺うと、まだまだ頑張れる、一花咲かせられるかも・・という気持にさせられます^^

亡くなったわが家の父も、晩年は頑固でした。
人間の命はどこでどうなるか分かりませんが、親戚で亡くなった人の話を聴くと
亡くなる前には顔付や言葉使いも別人のように優しくなったと言っていました。
命を全うし別の世界え旅立つ時は、生まれた時の状態に戻って行くようです。
>
> ホテル・ニュージャパンの火災・・ありましたね。
> あの頃のお話でしたか・。

あのホテル・ニュージャパンの火災で彼の父は亡くなっていました。
そのことが、彼の本当の人生の始まりの様な気がします。
>
> 応援凸

ではまた、お伺いいたします!!
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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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