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人の人生に寄り添う ES2
ある時、20年来知り合いの労働者に、こんなんことを彼女は言われる。

「怒らんと聞いてくれるか。誰にでもニコニコして声をかける姉ちゃんの姿をずっと眺めていて、最初はここ(左手の人差し指で頭を指して)が足らん人かと思っていた。わしみたいな人間でも馬鹿にせえへんやろなと思ったら、近寄りやすかった」と。

彼女は怒るどころか、悲しくなっていく自分と対面し、この人たちの人生の苦労に頭の下がる思いを感じる。

釜ヶ崎では、病気や怪我をすると仕事に行けなくなり、せっば詰まって自分の血を売り、よけいに衰弱して亡くなる人もいた。


彼女の仕事は、道ばたにうずくまっている人を見つけては、入院や住居の手配、生活保護の手続きの手伝いをする。

最近は、労働者同士のロコミで、事務所に来る人がほとんどだという。

アパートを見つけ、彼女が保証人として必要経費を立て替える。

役所に何度も足を運んで手続きをし、入居が決まり、「道端で死なずに済んだ」と安心している人の姿に、大きな励ましを貰うと語る。

アパート一つ借りるにしても、彼らの言うことの表面だけ聞くのではなく、生きてきたその人の人生に耳を傾ける姿勢が必要だと実感した。


しかし、彼女がいくら頑張っても、病気の人、困っている人は後を絶たない。

自分は何をやっているのだろう、と思い悩んだ時期もあったという。

そんな彼女に、ある労働者がこんな言葉をかけた。

「姉ちゃん、あんまり大きなことを考えんとき。姉ちゃんは街を歩きながら『おじちゃん、こんにちは』と声をかけてくれるだけでええんや。それがわしらの励みになるんや」と。


痛みを乗り越えて生きてきた人たちの優しさが心に滲み入り、彼女の心を支えている。

そしてたくさんの尊い出会いをいただいたことに感謝し、今日まで続けることができていると語る。


社会の仕組みを変えていかなければ、彼女のボランティアはなくなることはない。

労働者一人ひとりに寄り添い、その人たちの人生にしっかりと耳を傾けることは、彼女が切望してやまなかったネパールでの医療活動への原点が、ここにもあるように思う。


誰もドヤ街に住むことを望んで人生を送る人はいない。

けれども、選択肢のない人生を歩んできた人が入佐明美さんと出会い、次の人生の喜びを少しでも味わうことができれば、彼女が釜ヶ崎で彼らと共に活動する意味は大きい。

入佐明美さんの目指したネパールでの奉仕活動は、釜ヶ崎という地でたくさんの人たちに支えられ、その志は受け継がれていくのだと思います。



地下足袋の詩(うた)―歩く生活相談室18年
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今日の”ありがとう”が、明日の未来のあなたを・・・・。

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テーマ : 社会貢献活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

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(非公開コメント受付中)

No title
おはようござます!
いいお話ですね^^
昨日たまたま「ツリーオブライフ」という映画を鑑賞して参りました^^
利己的に生きるものとそうでないもの。
利己的に生きようとする人間は、人を支配しようという欲ばかりが強く
愛に生きようとするものは時に利己的に生きようとするものから蔑まされる運命に
ありながらも、その存在は普遍的なものとなり、皆からも愛される存在になる
そんな哲学的なものを訴えた作品でしたが、
立派な演説や、雄弁さなどなくても、ただそこで常ににこやかでいる事が
人々の心にいかに深い感動を与えていくものなのかという事を
ニックさんの記事からも学ぶことが出来、感謝致しますm(__)m


それでは応援凸
Re: No title
ぴーちさん、こんにちは ♪

いつもコメント有難うございます。

> おはようござます!
> いいお話ですね^^
> 昨日たまたま「ツリーオブライフ」という映画を鑑賞して参りました^^
> 利己的に生きるものとそうでないもの。
> 利己的に生きようとする人間は、人を支配しようという欲ばかりが強く
> 愛に生きようとするものは時に利己的に生きようとするものから蔑まされる運命に
> ありながらも、その存在は普遍的なものとなり、皆からも愛される存在になる
> そんな哲学的なものを訴えた作品でしたが、
> 立派な演説や、雄弁さなどなくても、ただそこで常ににこやかでいる事が
> 人々の心にいかに深い感動を与えていくものなのかという事を
> ニックさんの記事からも学ぶことが出来、感謝致しますm(__)m

人に寄り添って生きる事ができる人はそう多くないと思います。
大阪のスラムと呼ばれているあいりん地区で、日雇労働者に耳を傾け続けている。

彼女は人を信じことを原点とし、人生のすべてをボランティアでケースワーカーに取り組む姿勢には
頭が下がる思いです。ケースワーカーの草分けとなった彼女の存在も大きい。
それ以上に人とのつながりを大事にしている彼女の生き方が、人として一番大切なものを我々に教えているように思います。
>
>
> それでは応援凸

ではまた、後ほどお伺いいたします!!
No title
おはようございます!

私も一時期、ケースワーカーという仕事に憧れた事がありました。
少し前まで、ケースワーカーという名前の知名度も低く、職業としても
認識度が高くなかった様に記憶していますが、心の下支え、いわゆる縁の下の
力持ち的なこういう方たちがいらっしゃる事で、世の中は円滑に回っている
といっても過言では無いように感じました^^
地道な活動、頭がさがる思いです。

応援凸
Re: No title
ぴーちさん、おはようございます ♪

いつもコメント、有難うございます ♪

> おはようございます!
>
> 私も一時期、ケースワーカーという仕事に憧れた事がありました。
> 少し前まで、ケースワーカーという名前の知名度も低く、職業としても
> 認識度が高くなかった様に記憶していますが、心の下支え、いわゆる縁の下の
> 力持ち的なこういう方たちがいらっしゃる事で、世の中は円滑に回っている
> といっても過言では無いように感じました^^
> 地道な活動、頭がさがる思いです。

ぴーちさんであれば、きっと皆に愛されるケースワーカーになっていたと思います。
でもケースワーカーに成っていたら、こうしてお会いしていたかどうか・・・?

亡くなった父も民生委員をやりながら、地域活動に奉仕していました。
色々な方がいて、活動の大変さを母から聞いたことがあります。
自分を抑えるような行動ではだめで、自然にその人の目線にまで下りていけないと
奉仕はうまくいかないようです。
人の心を動かすことが出来る地域活動に突き進む彼女の優しさには、驚きと敬意を感じています。
私が知らないだけで、世の中にはこのような方がまだまだいるのでしょうね!
>
> 応援凸

ではまた!!
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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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