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無医村からの医療 ES1
この震災で壊滅的被害を受けた岩手県に、いまから29年前、無医村の田野畑村にやってきた一人の医師 将基面誠(しょうぎめん・まこと)さんの話です。


彼は満州で生まれ、9歳の時に敗戦を迎える。

それまで何不自由なく過ごしていた生活が一転し、疎開先の平壌で強制収容所に送り込まれ、過酷な収容所生活を余儀なくされる。

零下20度前後の寒さの中、食事は朝晩、小豆を大さじ一杯と塩味のお汁一杯のみ。

極度の栄養失調により、一緒にいた日本人の多くが痩せ衰えて死んでいく。

2歳になったばかりの妹も、伝染病にかかり病院で隔離され、暖房もない凍てつくような寒さの病院で、伝染病だからと、冷たい消毒液の中に入れられた。


お骨を抱いて戻ってきた母親は「あんな冷たい液に浸けられて助かるわけはない。子どもを殺したようなものだ。あああっ・・・」と涙を流していた。

あの時、幼心に抱いた「医者がいれば助かったのに・・・」という思いが、その後、医師を志し、無医村へ向かわせる原点になった。


彼は昭和37年千葉大学医学部を卒業し、千葉県がんセンター婦人科医長を務めています。

当時はがんを撲滅するという考え方が一般的であり、手術療法も、放射線治療も、抗がん剤による化学療法も、みな、どんどん新しい技術・装置・薬剤の開発が進み、それらを積極的に取り入れること、それが患者のためになるというものだった。

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)
しかし最先端の医学を駆使しても、どうしても救えない命がたくさんあった。

これでいいのかなという医療のあり方に疑問を持つようになる。

そういう中でキューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』を読んだことが大きなきっかけとなり、人の気持ちを支える医療への関心や、医療に恵まれていない所で働きたいという気持ちが湧き上がってくるのです。


北に行きたいという思いと、若い時に読んだ菊地 武雄の「自分たちで命を守った村」に感銘を受け、岩手県庁に無医村で働きたいと手紙を出した。

程なく村の診療所の事務局長が訪れ、いろいろな話を聞き早野村長との出会いで決意は固まった。


しかし、予期せぬことが突然起こるのです。


子どもの転校手続きも済ませ、引っ越しを1ケ月先に控えた深夜、仕事を終えて帰宅すると妻が倒れていた。

慌てて抱き起こすと、うっすらと瞼を開きひと安心したものの、顔にはまるで血の気がなかった。

翌日採血をしたところ血液に異常があり、がんセンターに検査入院をする必要があると診断された。


行く決心が揺らぎ始めていた時、妻が「夫と子ども3人が知らない土地へ行くのに、私だけ残ってはいられない。一緒に行くのが当然じゃないか」と主張して譲らなかった。

断念しかけた心が、妻のこの一言で赴任を決意するのです。


昭和57年、「陸の孤島」といわれた岩手県田野畑 (たのはた) 村に医師として45歳で赴任します。

妻と3人の子供を連れての新たな人生の旅立ちでした。

次に続く!


無医村に花は微笑む
無医村に花は微笑む将基面 誠

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テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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(非公開コメント受付中)

No title
こんばんは!

先生のお名前にまず、驚かされました(゚д゚)!
初めて伺いました!世の中には変わった苗字の方は
いらっしゃいますが、このお名前は初めてです(^^ゞ
やはり医者になろうという思いは、幼少の頃の強烈な思いが
あったからこそなんですね。
先ほどCMで「癌」の痛みを取るお薬が開発されているそうですが、
やはりお値段的に高いのでしょうね(^_^;)

応援凸
No title
v-22ニックさん、こんばんは。
大きな決意をする時、予期せぬことがよく起こりますよね。
この先生の場合は奥さまの癌。
人生って本当に意地悪。
でも見方を変えれば自分を磨く絶好のチャンス。
ある境地まで自分を高めるために神が用意された問題。
亡くなった後に人生の謎解きがあるのでしょうか。
その時を楽しみに精進あるのみです。
Re: No title
ぴーちさん、こんばんは ♪

いつもコメント有難うございます。

> こんばんは!
>
> 先生のお名前にまず、驚かされました(゚д゚)!
> 初めて伺いました!世の中には変わった苗字の方は
> いらっしゃいますが、このお名前は初めてです(^^ゞ

私も最初はこの苗字は驚きました。一度聴いたら忘れない苗字です。

> やはり医者になろうという思いは、幼少の頃の強烈な思いが
> あったからこそなんですね。
> 先ほどCMで「癌」の痛みを取るお薬が開発されているそうですが、
> やはりお値段的に高いのでしょうね(^_^;)

子どもの頃の思い出は強烈にくっきりと残っています。その思いが人を強くして行くように思います。
人生とはそのような思いを強くもった方に、強い志が生まれるように思います。
>
> 応援凸

ではまた、お伺いいたします!!
Re: No title
フローレンスさん、こんばんは ♪

いつもコメント有難うございます。

> v-22ニックさん、こんばんは。
> 大きな決意をする時、予期せぬことがよく起こりますよね。
> この先生の場合は奥さまの癌。
> 人生って本当に意地悪。
> でも見方を変えれば自分を磨く絶好のチャンス。
> ある境地まで自分を高めるために神が用意された問題。
> 亡くなった後に人生の謎解きがあるのでしょうか。
> その時を楽しみに精進あるのみです。

男はある時突然気付くことがあるようです。
自分の志のために周りを顧みず、妻にも苦労を懸けている事を忘れ突き進みます。
しかし妻の病気や死に直面すると、突然自分のわがままにつき合わせてしまった罪悪感を感じます。
男は失ってみて初めて事の重大さを知る生き物でもあるように思います。

では後ほど、お邪魔いたします!!
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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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