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交ぜ書き語
「交ぜ書き語」なる言葉を私は知りませんでした。

「完ぺき」「戦りつ」「し烈」「雑きん」「ねつ造」「排せつ」といったように漢字熟語の一字だけを仮名書きにする表記方法です。

新聞や学校の教科書などで頻繁に目にするため、違和感を覚えないという人もいるかもしれません。

なぜ「交ぜ書き語」なるものが生まれた背景をちょっと調べてみました。

読めないと恥ずかしい漢字1500 -日本人なら、これくらいは知らなくちゃ!
国家的施策として「交ぜ書き」が行われるようになったのは、昭和21年の「当用漢字表」の公布がきっかけだといいます。

国家の名において1850字の当用漢字以外の使用を禁止したために、教育界、出版界などに多大な影響を与えたようです。

「当用漢字表」以外は「表外漢字」「制限漢字」と称せられ、小中高の教科書や官公庁の公文書、新聞・雑誌などの刊行物までその制約に従わざるを得なくなりました。

その結果、「けい古」「めい福」「でき死」「元たん」といったような日常語までが「交ぜ書き」になってしまったのです。

自由であるべき文字の使用が国家の名において制約されたことは、表現の自由や言論・思想の自由をも侵害する暴挙にほかならず、当然、世の良識ある人々の間から疑問視する声が強くなります。

このため政府は「当用漢字表」の公布から30年以上経過した昭和56年、「常用漢字表」を公布して、常用字数を1850字から1945字へと95字、平成22年には2136字となりました。

特筆すべきは、それまでの漢字の「使用制限」を「使用の目安」に切り替えたことでした。

これにより「常用漢字表」についても、漢字を制限するのではなく、この程度まではという目安を示すにすぎなくなったのです。


漢字の熟語は構造上、一定の法則があるといいます。

「地震」「国立」は「地が震える」「国が立てる」と読んで、これは主語―述語の関係で成立しています。

「握手」「昇天」は「手を握る」「天に昇る」と読んで補語(主語・述語などを補う言葉)―述語の形。

「永久」「試験」は「永い・久しい」「試みる・験す」と同義語を重ねた形です。

「交ぜ書き語」の問題点の一つは、このような言葉本来の意味を正しく伝えきれないところにあります。

「破綻」「進捗」はそれぞれ「やぶれる・ほころびる」「すすむ・はかどる」という意味ですが、これを「破たん」「進ちょく」と表記したのでは、何のことだか分かりません。

「たん」の同音異字には「丹・旦・担・単」など、「ちょく」には「直・勅」などがあるからです。

「破たん」を「やぶたん」と平気で読む若者がいることも笑えない現実です。

読めそうで読めない間違いやすい漢字第2弾
意味不明の言語を用いて人を混乱させるよりも、「破綻」「進捗」とそのまま表記し、難しすぎると感じたらルビ付きにすることが望ましのです。

実際、明治、大正期の新聞はすべての漢字に読み仮名をつけていたといいます。


「交ぜ書き語」の問題点はもうひとつあり、言い換えのできない日本語の美しさが十分に伝わってこないことです。

「家庭の団らん」という表現の団樂は、他に言い換えることができない素晴らしい言葉の一つです。

「団」も「樂」もともに「車座になって座る」、言い換えると「家族など親しい人たちが集まって、和やかに語らい過ごす好ましい状況」を意味します。

「団樂」は、これまで継承されてきた日本の良き伝統文化が凝縮されている言葉なのです。


「静謐(せいひつ)」という美しい言葉についても同じことがいえます。

「謐」は「静」とほぼ同義の言葉で「静かで落ち着いている」様子です。

一部には「そんな難しい言葉を使わないでも静寂や閑静という言葉に置き換えたらいいではないか」という指摘もあるのですが「静謐」という言葉をあえて用いる人たちは、他のどの言葉にも代えがたい思い入れがあるようです。

「叡智(えいち)」という言葉も然りで、この2文字に深い味わいを感じ取る人は簡単に「英知」と書き換えることはしません。


典型的な和製漢語である、身を美しくする「躾」、心を永く持ちこらえる「泳える」、人が動いてはたらく「働く」などを見ても、これらの国字を創作した私たちの祖先の感性の素晴らしさには驚きます。

単に見かけが難しいという理由だけで安易に「交ぜ書き」という形にしてしまうのは、文化の破壊と言えるようです。

本来の漢字のもつ意味を一つずつ理解しながら使うことで、心豊かな人生をおくれる様にも思います。


一日も早い、復旧と復興を心より願っています。

今日も一日 ありがとうと感謝の心でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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テーマ : 日本語教育
ジャンル : 学校・教育

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(非公開コメント受付中)

No title
こんにちは♪

「交ぜ書き語」。私も初めて知りました。
ひとつお勉強になりました(^∀^)v

言い換えのできない日本語の美しさ。
「静謐」「団欒」どちらの言葉も、漢字から受ける印象が大切な言葉ですよね。
ニックさんのおっしゃるとおり、難しい漢字はルビを振って、
漢字はそのままにして欲しいと、私も思います。

文字はかなにしても漢字にしても、音で表現するものではなくて、
その形、ひとつひとつに意味があり、形を残して人に伝達するために
発達してきたものなのに、なんだか淋しく感じますね・・・。
No title
v-22ニックさん、こんにちは。
叡智(えいち)と英知、本当に雰囲気がちがうというか、重みが違うというか、不思議だけど全く違いますね。
漢字の持つ意味、風格・・・漢字は生きているのかも。
Re: No title
ひいちさん、こんにちは ♪

いつもコメント有難うございます。

> こんにちは♪
>
> 「交ぜ書き語」。私も初めて知りました。
> ひとつお勉強になりました(^∀^)v
>
> 言い換えのできない日本語の美しさ。
> 「静謐」「団欒」どちらの言葉も、漢字から受ける印象が大切な言葉ですよね。
> ニックさんのおっしゃるとおり、難しい漢字はルビを振って、
> 漢字はそのままにして欲しいと、私も思います。

最近は日本語も乱れているといいます。
妙に言葉を縮めたりしている俗語も多くあるようです。
漢字一つひとつには本来意味があるようで、その意味を理解しながら覚えると、ストーリーができて良いみたいですね!
>
> 文字はかなにしても漢字にしても、音で表現するものではなくて、
> その形、ひとつひとつに意味があり、形を残して人に伝達するために
> 発達してきたものなのに、なんだか淋しく感じますね・・・。

こうして書いているブログの記事も、漢字の良さを伝えられるようにしていきたいと思っています。

ではまた、後ほどお邪魔いたします!!
Re: No title
フローレンスさん、こんにちは ♪

いつもコメント有難うございます。

> v-22ニックさん、こんにちは。
> 叡智(えいち)と英知、本当に雰囲気がちがうというか、重みが違うというか、不思議だけど全く違いますね。
> 漢字の持つ意味、風格・・・漢字は生きているのかも。

漢字の雰囲気やその重みが理解できる大人になれるよう、いまの子どもたちも、しっかりと勉強して欲しいと思います。

漢字は生きているという表現、ぴったりだと思います。


では、後ほどお邪魔いたします!!
No title
こんばんは!

日本語の乱れ、一時期、あて字を多用したキャッチフレーズやCMが
盛んにもてはやされていた時期がありましたが、そういうテレビやマスコミからの
影響もあってか、随分と漢字の誤用が増えてしまった様に思います。
江戸時代にも世の中が平和だった事が影響してか、言葉遊び、文字あそびが
流行った様ですが、(お寿司屋さんの看板の「お戸江」とわざと書いたり)
現代の日本も平和であったが故に言葉の文化が乱れてしまった
のではないかと思います。
漢字、言葉の誤用と言えば、日本テレビで「ワーズハウスへようこそ」という
ミニ番組が放送されていて、その番組ではときどき勉強させていただいていましたが、
主演の児玉清さんが享年77歳にて昨日お亡くなりに
なられたこと、非常に残念に思いました。
とても紳士的な方で「アタック25」などもよく見ていました。
よい俳優さんでもあり、惜しい方をまた一人亡くしてしまいました。

それでは応援です。
今日のお話も非常に為になりました!ありがとうございますm(_ _)m


Re: No title
ぴーちさんん、おはようございます♪

いつもコメント有難うございます。

> こんばんは!
>
> 日本語の乱れ、一時期、あて字を多用したキャッチフレーズやCMが
> 盛んにもてはやされていた時期がありましたが、そういうテレビやマスコミからの
> 影響もあってか、随分と漢字の誤用が増えてしまった様に思います。
> 江戸時代にも世の中が平和だった事が影響してか、言葉遊び、文字あそびが
> 流行った様ですが、(お寿司屋さんの看板の「お戸江」とわざと書いたり)
> 現代の日本も平和であったが故に言葉の文化が乱れてしまった
> のではないかと思います。

漢字本来の持つ意味を学ぶことは、日本人としての文化を残すことの一つだと思います。
そして良き伝統文化を継承させる人も少なくなったように思います。
経済もダメ、文化もダメという国にならないことを願っています。

> 漢字、言葉の誤用と言えば、日本テレビで「ワーズハウスへようこそ」という
> ミニ番組が放送されていて、その番組ではときどき勉強させていただいていましたが、
> 主演の児玉清さんが享年77歳にて昨日お亡くなりに
> なられたこと、非常に残念に思いました。
> とても紳士的な方で「アタック25」などもよく見ていました。
> よい俳優さんでもあり、惜しい方をまた一人亡くしてしまいました。

アタック25を休んでいて、何回か復帰の話が延びていたのでお体が良くないと
思っていましたが、亡くなったことにびっくりしています。
自分が育った時代の名優が亡くなっていくのはさびしい限りです。
>
> それでは応援です。
> 今日のお話も非常に為になりました!ありがとうございますm(_ _)m

今日は朝から良い天気になり気持ちがいいです。
ではまた、お伺いいたします。
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■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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