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人生の果てにある境地 ES1
不治の病と言われる膠原病を35歳の若さで発病、以来この難病とともに生きてきた古結芳子(こげつ・よしこ)さんの話です。


上の娘が中学3年生、下の息子が小学校5年生になって、子育ても一段落し、これからは自分の楽しみも見つけたいと思っていた昭和57年の5月のことだった。

親しい友人に誘われて通っていた健康体操教室で、「はい、皆さん起き上がりましょう」という先生の掛け声とともに起き上がろうとするものの、どういうわけか上半身に力が入らない。

先週まで何事もなくできていた腹筋運動ができなくなり、この時、自分の体に起きている異変を感じるのです。


考えてみれば、少し前からいいようもない倦怠感が続き、洗い物をしていても、大して水圧でもないのにポロリと食器を落とす。

掃除をするにも、力いっぱい絞ったはずの雑巾からはボトボトと落ちていく水商。

近くの診療所に診察を受けに行き、ゆっくりと診察台に横たわろうとした瞬間、バターンと頭から倒れたのです。

体を起こして枕に頭を宛がおうと力を入れても、その頭は持ち上がらない。


自分の体を自分で自由にできなくなったという不気味さに心が震え、ただただ「私、どうしたんやろう、これからどうなっていくんやろう」と自問するしかなかった。

9月に国立循環器病センターに検査に行った頃には目に見えて体は衰え、診察後、医師は夫に「少し診ただけでも普通の病気ではないと思う」と告げる。


1週間後に検査の結果が出たら、適した病院を紹介すると言われたが、その間にも体は日に日に衰えていき、昨日まで届いていた頭上にある換気扇のスイッチに手が届かなくなる。

箸でスイッチを押すが、翌日には箸を持っても届かなくなって、菜箸を使う。

ちょっとの蹟(つまず)きでも倒れ、家族がいる時は起こしてもらえるが、誰もいないとそのままになった。


一度みんなが出かけた直後に台所で転び、起き上がろうと全身に力を入れるものの、ピクリとも動かず全身に冷や汗が滲んできた。

その時、「忘れ物、忘れ物」と言って戻ってきた息子が、台所に横たわる母親を見て、どんなに驚いたことか。

駆け寄って起こしてくれ、「またこけると危ないから、じっとしておくんやで」と言って、ドアを出るまで何度も母を振り返りながら、再び学校へと向かった。

その時の寂しそうな息子の姿はいまも目に焼き付いて離れないという。


1週間後、夫と2人で国立循環器病センターから紹介された住友病院へ向かう頃には、大きな赤子のような状態で、夫に抱えられ、座らせてもらい、支えてもらいながら服を脱がせてもらわなければどうしようもないところまで病は進行していた。

夫は妻の発症当時のことにはほとんど触れなかったが、ある日ポツリと「住友に行った時が一番情けなかったな」と言っていた。


診察してくれた医師は、紹介状と検査結果の数値を見ると驚きを隠せない様子で、「相当筋力が落ちている」といった。

医師から初めて聞く病名は「膠原病」だった。

"膠原病"って何ですか? これからどうなるんですか? 生きられるんですか?

畳み掛けるような質問に、医師は重い口調で「詳しく調べてみないと分かりません」と答えるだけだった。


夫と娘は家にあった医学書を持ち出し、「膠原病」を調べてみた。

膠原病-臓器や組織の間を埋め、それらを保護したり結合したりしている膠原線維に起こる病変のことをいい、その症状は多岐にわたり、原因不明の難病で「発病から3~5年で亡くなる」と書いてあった。


この数か月で自分の身に起きたことを考えると、それも当然であろうと思う半面、死という現実がすぐ目の前に立ちはだかった。

次に続く!


生きててよかった―膠原病とともに
生きててよかった―膠原病とともに古結 芳子

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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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