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江戸の粋を伝える
紀州出身の武士、初代泰地屋(たいちや)東作・松本三郎兵衛が江戸天明年間に日本初の釣具店を開いて以来、二百数十年もの間「江戸和竿」の正統を守り続けてきた六代目東作 松本三郎(まつもと・さぶろう)さんの話です。

和竿2
江戸和竿は、何本もの竹を継ぎ一本の竿にする。

厳選した竹から一番いいところのみを切り取って繋ぎ、継ぎ口の補強に絹糸を巻き、漆を塗り仕上げるのです。

釣る魚や場所によって竿の種類が多いのも江戸和竿の特徴で、グラスファイバーやカーボンファイバー製の化学竿がもてはやされる中、強度やしなやかさのみならず、美しさをも兼ね備えた手作りの和竿は、根強い人気がある。


江戸和竿に囲まれて育った松本さんは、物心ついた時からこっそり仕事場に入っては、父やお弟子さんたちを真似て遊んでいたといいます。

自分も父のような和竿師になりたいと考え、15歳の時に弟子入りをします。

「好きこそ物の上手なれ」の言葉通り、幼い頃からの下地もあり、めきめきと上達し、翌年には父が来日した有名オペラ歌手の竿作りの注文を受けた際、仕上げを任されるまでになっていた。

周囲からも、仕事好きなところだけでなく腕がいいところも父に似ている、との評価を受け、一人前の和竿師へと成長していきます。


しかし21歳から10年近くもの間、第二次世界大戦で和竿師としての仕事が一切できない時期を迎える。

小笠原諸島や樺太などの激戦地を転々としながらも何とか無事に終戦を迎え、これで家に帰れると安堵した矢先、シベリアでの抑留生活が始まったのです。

永久凍土になるほどの極寒の気候、過酷な屋外作業、粗末な食事。

毎日多くの戦友が肺炎になる中、小柄で虚弱な松本さんは衛生兵として、設備も医薬品も慢性的に不足した状態で看護活動にあたります。

抑留生活も4年がたった昭和24年、ようやく帰国の途に着きます。

音信不通だった家族は生還を喜び、松本さんも和竿を思う存分作ることができる、と幸せな気分に浸るのですが、時代の変化で、鮎を釣る竿が全く異なる種類になっていた。

和竿4
自分より若い連中が上手に作っているのを見て、思い切って見よう見真似で作り出してみた。

すると驚いたことに、以前は迷いのあった「切り込み」という選定した材料を切って組み合わせる作業が、滞りなくスムーズにできた。


長いブランクがあっただけに不思議な感覚を覚えるのですが、生死ギリギリの状態で懸命に培った知識・経験が大きな糧となっていた。

以来、一層仕事に励み、父に並ぶ名工と称されるようになるのです。


しかし、商才があった弟がブームに乗り、化学竿に手を出して急激に店を拡張したことが原因で昭和45年、4億円もの負債を抱えて倒産します。

職人気質で和竿を作ることしかできない松本さんは、自宅に小さな工房を構え、細々と受注製作を始めることになります。

伝統ある看板をなくし大きなショックを受けるのですが、父から習った先祖伝来の確かな技術を守り、せっかく生き延びた人生、どんなに苦しくても地道に仕事を続けることに専念をします。

和竿3
倒産後数年の間に、5代目の兄、4代目の父が立て続けに亡くなり、松本さんが6代目を継ぎます。

そして、店の再建はその後甥の7代目が徐々に手がけていき、江戸和竿専門の店として「東作」の看板をもとの場所近くに掲げることができたのです。


これまでの人生を振り返ると、幾つもの困難に見舞われてきたが、最高級の作品を作り続けることができていると語ります。

普段は店を通しての注文に応じているのですが、高知県からわざわざ工房を直接訪ねてくださった熱心な方もあり、相談しながら2年間かけて納得の竿に仕上げたこともあったといいます。


時間と手間をかけてでもじっくりと本物を作り上げていく名人の技は、和竿を愛する人にはお金に代え難い魅力となっています。

江戸和竿は使えば使うほど味が出て、数十年釣りを楽しむこともできるといいます。

日本の風土・伝統に根ざした和竿は今後も多くの人々に愛され続け、この江戸の粋な技を伝承し続けて欲しいと多くの人が願うばかりです。



今日も一日 ありがとうと感謝の心でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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