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すべての出来事には意味がある ES2
春の花3
山口さんと塚本先生との出会いは、一番上の息子が4歳の時にさかのぼる。

小学校の教員だった塚本先生は、偏差値教育や受験戦争など現代の学校教育のあり方に疑問を感じて退職した。

独自に幼児教室を主宰し、「この世に生まれて初めて出会う教師は母親である」という考えから、子どもたちとお母さんのための教育に専心した。

塚本先生は常々「子どもは自ら育つ力を持って生まれてくる。大人はそれを援助するだけでいい」といっていたが、この教えが彼女の子育ての指針となり、特に娘が不登校に苦しんでいた時には大きな支えとなっていた。

山口さんの娘は小学校の時に不登校となり、その後は通えたものの、中学に入るとまた行けなくなった。

一番苦しいのは娘だと分かってはいるものの、周囲から子育てが悪かったからこうなったと思われたり、この子の将来はどうなるんだろうと不安になったりと、親として娘を受け入れられない時期もあったという

しかし、「子どもには自ら育つ力がある。大人はそれを援助するだけ」という塚本先生の教えがあったからこそ、娘が自分で立ち上がるまで待つことができたのだと彼女は語る。

春の花4
事件後、時間がたつにつれ、少しずつ加害少年の素性は彼女にも伝えられた。

少年は彼女の娘と同じ17歳、高校は不登校の末、退学をしていた。

「ああ、彼も苦しんでいたんだ」と思った。

バスの中で、少年が最初に逆上して言ったあの「俺の話を聞いていない!」という言葉は、ずっと心の中で「話を聞いてほしい」と17年間訴えていたのだと思った。

しかし、それに耳を傾けなかった周囲の大人たち。

少年は事件によって加害者になったが、それまではずっと大人社会の被害者だったのだと彼女は感じた。

「彼にも居場所があったら、こんなことにはならなかったかもしれないね」と精神ケアの先生に言われた一言がストンと胸に入った。


この事件の報道のほとんどが「身勝手で頭のおかしな少年による凶悪事件」という報道のされ方で、「許せない」「少年でも厳しく罰しろ」というのが世の論調だった。

「違う、少年だけが悪いのではない」、このことを世の中に伝えていかなければならないという、使命感にも似た思いが彼女の中にふつふつと芽生え始めた瞬間だった。


次に続く!



佐賀バスジャック事件の警告―孤立する家族、壊れた17歳
佐賀バスジャック事件の警告―孤立する家族、壊れた17歳町沢 静夫

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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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