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ファインダーからの平和
戦地や紛争地域で人々を撮り続けるフォトグラファー高橋邦典(たかはし・くにのり)さんにスポットをあててお伝えします。


2003年7月、彼は報道カメラマンとして、この地で14年にもわたり断続的に続いてきた内戦を取材する目的で、アフリカ大陸の西端、リベリアの地に立っていた。

当時リベリアでは、政府軍とそれに敵対する反乱軍の間での戦いが激しさを増してした。


戦いの前線に近い住宅地では、ヒュンヒュンと空気を切り割く音とともに銃弾が頭の上を飛んでいき、学校や教会は親や家族を失った多くの子どもたちであふれ返り、その日の食べ物にもありつけない状況が続いていた。

しかし、そんな中でも容赦なく砲弾が降り注ぎ、こんなにも多くの子どもたちが目の前で攻撃を受け、殺されていく姿を見たことはなかった。


戦況とともに多くの子どもたちを撮影する中で、ムスという少女に出会う。

小さな身体の彼女は、両脇を抱えられ、ちぎれた右手を木の板に乗せて病院に運ばれる途中だった。


一発の砲弾が家を直撃し、爆裂した破片がムスの右手を引き裂いたのです。

ショックのため、かっと見ひらかれたムスの大きな瞳を見て、頭をがんと打たれたような衝撃が走る。

考えるより先に身体が動き、すぐさま車に乗せて病院まで搬送した。

これまで好奇心や自己満足で撮影し、写真を撮るよりも先に人を助けたことなどなかった。



高橋さんがカメラマンになったのは、一冊の本との出合いがきっかけでした。

大学を中退し、本当にやりたいことを探し求めていた時、ふと青木冨貴子の『ライカでグッドバイ』を手にする。

「カメラマン沢田教一が撃たれた日」というサブタイトルがついたこの本は、日本人で二人目となるピューリッツァー賞を受賞した写真家・沢田教一氏の人生が描かれている。


カンボジアで戦死するまで写真を撮り続けた氏の情熱的な生き方に感動し、「自分もこのような生き方がしたい」と思い、独学で写真の勉強を始めるのです。


そして、もっと本格的に写真を学びたいと思い、ボストンの写真専門学校に留学。


卒業後、1992年に南アフリカのアパルトヘイト廃絶活動を行う使節団に同行し、その後アメリカのAP通信社で報道カメラマンとして働き始めます。


ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日 (文春文庫 (375‐1))
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リベリアの取材から1年が過ぎた頃、あの時出会った子どもたちの安否を確かめたくなり、高橋さんは取材をかねて再びリベリアを訪れます。

住所も連絡先も不明、手掛かりといえば当時の写真のみでしたが、1年前に同行したガイドの協力もあり、何人かはすぐに見つけ出すことができるのですが、ムスだけが見つかりません。


ほどなく、ラジオ局の協力で、当時の状況と何としても会いたい旨を伝え放送で流したところ、翌日ついに再会することができるのです。

ムスは片腕のハンディを感じさせないほど元気に成長していた。

彼らとの再会を通して、その生活の様子を伝えたいと感じた高橋さんは、それまで撮りためてきた子どもたちの姿を写真集『戦争が終わっても』と題して出版。


寄付の申し出や問い合わせ、2005年にはシカゴのトリビューン紙に掲載したムスの記事がきっかけとなって、有志の人々より彼女への義手が贈られます。


そして、高橋さんの心の中に写真という手段を使って広く情報を発信し、戦地の惨状を世の中に伝えていく社会的意義が芽生え始め、貧しさのため学校に行けない子の学費や生活費を援助するためのリベリア募金を設立します。


現実に私たちが日本で何不自由なく暮らしている時、世界では紛争や貧困によって3秒に1人の命が失われている。

死が身近にあるからこそ、命と向き合い、生に対する充足感を覚えることもあるのです


戦争は決して他人事ではなく、日本に住む人々の生活にも何らかの形で関係していると高橋さんは語ります。

平和ボケしている日本人には、彼の写真から受けるこの事実をしっかり見届け、戦争に苦しむ人々の実情を感じとり、平和についてもう一度考えるきっかけになることを願っています。


高橋邦典さんの写真は彼のブログで見ることができます。→ Kuni Photo India Blog


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今日も一日 笑って笑顔でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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