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おりおりの花
朝日新聞の一面に『花おりおり』という連載コラムを執筆していた湯浅浩史(ゆあさ・ひろし)さんの話に興味がありお伝えします。


このコラムの掲載は、当初1年間の予定でしたが5年間に及び、毎日、一つずつ取り上げた花は、合計1,564になっています。

できるだけ身近な草木を取り上げることにしたのですが、「名前は知っていても、花を見たことがありませんでした」という手紙をもらい、それを紹介するうちに、だんだん増えていったそうです。


小学唱歌の『夏は来ぬ』で歌われている「卯の花(ウツギ)」もその一つだと言います。

旧暦4月、卯月は卯の花の咲く季節を意味したといわれ、『万葉集』の昔から記録に残る日本最古の生け垣として使われてきましたが、近年は、ウツギの垣根などほとんど見かけなくなり、卯の花は唱歌の中だけの存在になりつつあります。

また、「卯の花の匂う垣根」と歌っていますが、卯の花に芳香はなく、白い花の咲くさまを匂うと表現したようです。


このように、「名前だけの花」や「普段目にしていても名は知らない植物」が急増していて、都市化の進展により、特に都会人にとって自然そのものが、身近な存在ではなくなっていることも一つの要因だそうです。

しかし、それ以上に深刻なのは、義務教育の中で、植物に対する興味の入り口となる、花や草木の名前を教えていないことだと湯浅さんは言います。


このことは私も同感で、私は殆んどの植物や花の名前を知りません。

小学校の学習指導要領には、植物の名前を覚えるような授業がほとんどなく、教科書にも具体的な植物名を写真付きで紹介しているページはほんのわずかです。

教科書に載っていないので当然、試験にも出ないし、植物を知らない、見ても分からない子どもたちが、ますます増えていくことになります。


こうした状況が今後10年、20年と続き、植物を知らない子どもが大人になった時、日本が世界に誇るべき植物文化、花文化は衰退してしまっているでしょう。

元来、日本人ほど植物が好きで、さまざまな行事や食事に植物を取り入れ、多彩な植物(花)文化を生み出した民族は他にはないと湯浅さんは言っています。

単に四季に恵まれているという風土だけから生まれたものではなく、起源を探れば縄文時代にも行き着く、独自の食文化、生活文化、観賞文化があったからなのです。


日本育ちの野草を食べる春や秋の「七草がゆ」、梅雨末期の大雨による河川の氾濫を防ぐために、乙女が水辺で機を織り、竹や笹の先に着けて水神様を鎮める行事の「七夕」、秋のお月見に使われる団子も、もともとはサトイモが使われ、それに魔除けのススキを添えてサトイモの収穫を祝ったと言われています。

極め付きは、日本独自の文化となっている桜の「花見」です。

水田の準備を始める前に、秋の豊作を願い村をあげて田の神を慰めた歌や踊りが、花を見て騒ぐという世界に類のない習俗に繋がっているのです。


こうして見ると、日本の植物(花)文化は、極めて生活と密接に結びつき、自然を敬い、自然と共生してきた日本の精神文化そのものなのです。

その文化を育み発展させていくためには、小学校からもっと植物や花に触れ、観賞する時間を取る必要があるのです。


植物や花の名前を知っているだけで、私はすごいと思います。

公式や記号を覚えることを否定はしませんが、人間としての優しさや気配りなどの感性を養うには、植物教育は本当に大切だと、湯浅さんの記事を読んで痛感した次第です。



花おりおり
花おりおり湯浅 浩史 矢野 勇

朝日新聞社 2002-11
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今日も一日 笑って笑顔でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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