FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

日本一の空師
「空師(そらし)」という言葉を知っていますか。

空師とは、木の伐採や剪定(せんてい)をする職人の中で、空に近い、特に高い木に命綱一本で登り、仕事をする人をいいます。

耳慣れないこの職業の四代目を継いだ飯田清隆(いいだ・きよたか)さんにスポットを当てた話です。


空師の仕事は、ただ木を切ればいいというものではなく、他の木や建物などの障害物がある中、いかに安全・確実に仕事をするか。

切った枝を下ろすにも、下にいる職人とともに巧みにロープを操らなければならず、木を倒すにも、倒れる方向・角度を計算して根元に切り込みを入れなければならない。

数センチのミスが数メートルのズレを生じ、重大な事故を招く。


日本一の空師だった亡き父親は、すべての工程を予測し、どんな場所のどんな木でも、自分で思い描いた通りに仕事を進めていたと語る。

その確かな腕を見込まれ、皇居や全国の神社仏閣から住宅まで、多くの仕事を任されていた。


幼い頃よりそんな父を見て育ち、休みの日は実際に現場に連れていかれ、枝運びや片づけを手伝ったといいます。

かっこよく木の上で仕事をする父親に対し、次第に憧れの気持ちが強くなり、高校卒業後、すぐに弟子入りをします。


しかし実際に入ってみると、甘いものではなく、父親からは事あるごとに「ばかやろう」と怒鳴られる始末だったという。

ちょっとした気の緩みや目測違いで、自分の命が危険にさらされるだけでなく、他の者に被害を及ぼす大惨事も起こしかねないそれだけ危険な仕事なのです。


日常生活全般にわたり父親から厳しく仕込まれる中、5年経つ頃には一通りの仕事をこなせるようになっていた。

しかし自分のやり方を試してみたくなる時期でもあり、昔ながらの方法を貫く父に反抗するようになった。

「こうすればもっと早い」と私が言おうものなら、気性の荒い父からは「お前は分かっていない」と手が飛んでくることも少なくなかった。


そんなある日、取っ組み合いの大喧嘩のはて、家を飛び出し、父の友人である植木屋の親方に雇われる。

後で聞いた話ですが、このことを知った父親が、会社に近い住まいを探してやってほしいと言って頼んだという。


父親から離れて自分の好きなように仕事ができると思ったが、実際に自己流でやってみると、父が言っていたことがグサッグサッと胸に突き刺ってくるのです。

言う通りにしていれば、こんな失敗をしなかっただろうにと思うこともしばしばあった。

そして、父親の偉大さを痛感し、空師としての仕事のやり方を見直していくのです。


親方からは、細かな木の勇定技術や移植の技術などを習い、多くを勉強し充実した日々を送り2年が過ぎたある日、家族から父が癌らしいので戻ってきてほしいといわれ、急遽家に戻ることになります。

地元のチンピラにも負けないくらい勇ましかったあの親父が、癌に侵されていた。


父親の代わりをするために戻ったのですが、職人肌の父はなかなか療養しようとせず、久しぶりに一緒に仕事をしていくことになった。

以前はあんなに反発していた父に対し、いまはとにかく休んでほしい、安心してほしいと思うようになっていたからです。


家に戻って3年近くなる平成10年、ユネスコからカンボジアのアンコールワットでの伐採の仕事を依頼されます。

癌が進行していた父親に代わり、飯田さんが木に登ることになるのですが、直径3メートル、高さ50メートルもある大木は初めての経験だった。

しかも日本の木よりも油分・水分を多く含むこの大木は、思うように作業を進めることができない。


無線で連絡を取りながらなんとか進める中、一生忘れられない父親の言葉を聞くことになります。

「この仕事を終えたら、お前を日本一の空師と認めてやる」

それまで厳しい言葉しかかけられたことがなかった父親の一言に、木の上で必死に出る涙を堪えた。

「もっと父から学んで立派な空師になりたい」との思いも、帰国後の病状は悪化し、その年の暮れ51歳の若さで亡くなります。


その後父の後を継ぎ飯田さんは「飯田林業」を運営していきます。

経験を積み重ね、自然を読めるようになり、さらに、木の気持ちもよく分かるようになったと語る。

道路を車で走っていても、あの木はそろそろ枝を切ってあげないと重くて辛いだろうなと思うと、数日後に仕事の依頼がくる。

そんな不思議なことを幾度も経験している。


一本一本の生命を尊重するため、伐採する場合は古式にのっとり、お酒やお塩で供養をし、枝や幹は可能な限りリサイクルをする、技術だけでは立派な空師にはなれないと語る飯田さん。

日本人は木とともに生活することで、心豊かな生活を送り、木からのパワーをもらっているといいます。

自然の恵みに感謝し、木と共存する中、その命を生かすことで自然と語り続ける空師という仕事のすばらしさを、初めて知った瞬間でした。



今日も一日 ありがとうと感謝の心でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


 人気ブログランキングへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ
↑人生の道しるべを探しに、ほかの世界も覗いてみてください。応援も宜しくお願いします。


スポンサーサイト



テーマ : 生きる力の創造
ジャンル : 学校・教育

Secret
(非公開コメント受付中)

承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
ライフスタイルランキング
 人気ブログランキングへ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
ブックマーク
MicroAd
Amazon
Ads by Amazon
人生の道しるべ月別アーカイブ
人生のカテゴリーメニュー

Plug-in by
@激安・割安・おすすめ商品@

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Amazon Free
RSSリンクの表示
人生の道しるべプロフィール

ニック

Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

記事から探す
人生のヒントとなる言葉を入力して「検索」をクリックしてください。
P R
人生の道しるべ最新記事
人生の大切なリンク友
人生の道しるべ最新コメント
お気に入りのブログ
人生の道しるべ最新トラバ