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自分を育てるのは自分
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日本のペスタロッチーと呼ばれた東井義雄(とういよしお)は明治45年、兵庫県の但東(たんとう)町の浄土宗本願寺派「東光寺」の長男として生まれた。

父は義證、母は初枝といい、母は義雄が小学1年生になった5月に病死し、新しい母が来てもなつけなかった。

東光寺は、山間の小さな寺、父・義證の病身と親戚の借金の請け判の責任をとって、生活は楽ではなく、そのために山も田畑も手放して貧乏生活を余儀なくされている。

5年生になった時には、家財道具を差し押さえられ、食器棚まで封印されていたという。

進学したかったが、この経済状態のため断念し、通信教育で中学校の勉強をし、奨学金をもらいながら姫路師範学校に入学している。

昭和7年、姫路師範学校卒業後、故郷の小学校に勤務以来、終始、但馬(だじま)から出ることはなくその生涯を小中学生の教育に捧げた人物である。

その彼の講演録をまとめた著書『自分を育てるのは自分』は、彼の教育に懸ける祈るような思い、深い心願が熱く伝えられている。


人間は5千通りの可能性を持って生まれてくる。死刑囚になる可能性も泥棒になる可能性もある。その5千通りの可能性から、どんな自分を取り出していくか、と語っている。

『世界でただ一人の私を、どんな自分に仕上げていくか。その責任者が私であり、皆さん一人ひとりです』


そして、彼は講演の中で『バカになるまい』と繰り返し言って、一人の知的障害を持った中学生の詩を紹介している。

私は一本のローソクです
もえつきてしまうまでになにか一ついいことがしたい
人の心によろこびの灯をともしてから死にたい

彼は勉強はできないが、何か一ついいことをしたいと頑張っている。

これが賢い生徒です。

ところが、少し勉強ができてもバカがいる。

ある中学生が下校の途中、通せんぼをした保育園の幼児に腹を立て、刺殺する事件が起きた。

一度家に帰って刃物を持って引き返しての犯行であった。

なぜ、やめとけとブレーキがきかなんだのか。

その中学生は自分で自分を人殺しにした。

東井義雄の涙を流して発した痛憤(つうふん)であった。


木村ひろ子さんは生後間もなく脳性マヒになった。

手足は左足が少し動くだけでものも言えない。

しかも3歳で父が、13歳で母が亡くし小学校にも中学校にも行けなかった。

わずかに動く左足に鉛筆を挟んで、母に字を習った。

彼女の詠んだ短歌がある。

不就学(ふしゅうがく)なげかず左足に辞書めくり漢字暗記す雨の一日を


左足で米をといでご飯を炊き、墨をすって絵を描き、その絵を売って生計を立てた。

自分のためにだけ生きるなら芋虫も同じと、絵の収入から毎月身体の不自由な人のために寄付をした。

彼女は言う。

「わたしのような女は、脳性マヒにかからなかったら、生きるということのただごとでない尊さを知らずに過ごしたであろうに、脳性マヒにかかったおかげさまで、生きるということが、どんなにすばらしいことかを、知らしていただきました」



私たちは眠っている間も息をしている。

心臓の鼓動も自分が動かしているわけではない。

死ぬほど辛(つら)いことがあっても、胸に手を当てた時、ドキドキしていたら、「辛かろうが、しっかり生きてくれよ」と仏さまの願いが働いていてくれる、と考え直してほしい。

願われて生きている自分であることを忘れないでほしい。

東井義雄がすべての人に託した心願である。

そして、彼はこんな言葉も残している。

『自分は自分の主人公世界でただひとりの自分を創っていく責任者』

生活からかけ離れた学問などあり得ないと言い、生活の中から課題を発見し、教師・地域と課題を共有し問題を解決していく過程の中から、育つ子どもの生きた学力が確立することを発見し、実践した東井義雄こそ、真の教育者なのだと思う。

教師として村の教育に一生を捧げた彼は平成3年(1991年)4月18日、79歳で旅立っている。


どの子も子どもは星 「東井義雄詩集」より

どの子も子どもは星
みんなそれぞれがそれぞれの光をいただいて
まばたきしている
ぼくの光を見てくださいとまばたきしている
わたしの光も見てくださいとまばたきしている
光を見てやろう
まばたきに 応えてやろう
光を見てもらえないと子どもの星は光を消す
まばたきをやめる
まばたきをやめてしまおうとしはじめている星はないか
光を消してしまおうとしている星はないか
光を見てやろう
まばたきに応えてやろう
そして
やんちゃ者からはやんちゃ者の光
おとなしい子からはおとなしい子の光
気のはやい子からは気のはやい子の光
ゆっくりやさんからはゆっくりやさんの光
男の子からは男の子の光
女の子からは女の子の光
天いっぱいに
子どもの星を
かがやかせよう



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テーマ : 生きる力の創造
ジャンル : 学校・教育

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No title
色々な方の貴重な体験境遇から生まれた重みのある言葉に涙涙です。

私自身の言葉でこれだけの重みや価値を出せるような思いが残せるだろうか・・・と

他に本を読むならまずはこちらを制覇するほうが堅実ですね。

また時間を見つけて勉強させて頂きます。

Re: No title
こまり@さん、こんばんは ♪

コメント有難うございます。

> 色々な方の貴重な体験境遇から生まれた重みのある言葉に涙涙です。
>
> 私自身の言葉でこれだけの重みや価値を出せるような思いが残せるだろうか・・・と
>
> 他に本を読むならまずはこちらを制覇するほうが堅実ですね。
>
> また時間を見つけて勉強させて頂きます。

自分を見失わず、志を高く持って生きることは大変なことです。
それを人生の終わりまで出来ないかもしれませが、日々の努力を怠らず
精進出来ればよいと考えています。
生きている以上、学ぶ志は失わないようしているつもりですが、
ついつい流されてしまっている自分に喝を入れている有様です。

ではまた、お邪魔いたします!!
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■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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