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いま甦るこだま ES2
いまでこそ広く知られている金子みすゞという名は、世間から長い問忘れ去られていた。

亡くなってから50余年の長い年月埋もれていたみすゞの作品は、児童文学者の矢崎節夫の執念ともいえる熱意により再び世に送り出される。


矢崎節夫はある日、通学時に読みふけっていた『日本童謡集』の中に、有名な詩人に紛れて、聞いたことのない童謡詩人の名前が目に留まる。

読んだ瞬間、他の約300篇余りの詩が一瞬にして頭から消え去るかのような、それまで味わったことのない衝撃を受ける。

朝焼け小焼けだ
大漁だ
大羽鯛の
大漁だ。

浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰯のとむらい
するだろう。


浜の喜びの一方で、目に見えない海の悲しみがあり、この詩が矢崎節夫の眼差しをいっぺんに変えてしまう。

世の中は常に二つに一つだというメッセージが、この「大漁」という、わずか10行の詩の中に、明確に収められていると感じた矢崎節夫は、この詩人の作品をもっと読みたいと思い始める。

しかし、どこを探しても見つからず、30篇の詩と出合うのに4年の歳月がかかっている。

そしてみすゞが遺した3冊の手帳に巡りあうのに、初めての出会いから16年の歳月を要した。

そこに収められてある詩は短い創作期間の中で書かれ、遺した詩の数は実に512篇にも及んでいた。


これは自分だけのものにしてはいけない、との思いで、矢崎節夫はすぐに全集の出版を思い描いた。

大手の出版社に次々と掛け合うも、売れないものは出せないと、ほとんど相手にされなかった。

中には、何篇かを選んでみてはどうかという話もあったが、一人の人間がその一生をかけて残した512篇の中には一篇たりとも無用なものはないと固く信じていた矢崎節夫の思いは微塵も揺らがなかった。

自費での出版しか道がないかと思い至った時、ジュラ出版局という小さな出版社と出合う。

当時の編集長が「活字にすれば50年残る」と、詩に込められた価値をみごとに見抜いたことで、金子みすゞの道が開けるのです。


それから四半世紀を経て、金子みすゞの詩は世界10か国に訳されて親しまれるようになっている。

中国四川省で起きた大地震の後、孤児となった子どもたちの心のケアとして使われたのはみすゞの詩だという。

前のローマ法王もみすゞの詩にふれ、涙をこぼした。


なぜこれほどまでに、みすゞの詩は人の心を動かすのだろうか。

みすゞが書く詩には嫌な言葉がひとつもなく、深い優しさと明るさが滲み出ている。

彼女は誰よりも言葉の力をよく知り、書き手の最大の読者は自分ということを悟り、ゆえに苦しい時ほど、自分が嬉しくなることを書き綴ろうとしたのだろう。


金子みすゞは生きる上で一番大切なことを書き残すためにこの世に存在し、そのメッセージを伝えるべく甦っている。

童謡詩人として人生を貫きとおした金子みすゞの詩は、この震災で再び天から与えられた使命のように輝き始めている。



わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集
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一日も早い、復旧と復興を心より願っています。

今日も一日 ありがとうと感謝の心でお過ごしください。

このブログを最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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