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どこかに続く大切な一日
障害のある3人の息子を育てているエッセイスト佐々木志穂美(ささき・しほみ)さんの話です。


佐々木さんは3人の息子に恵まれましたが、長男は脳障害、二男は知的障害のない高機能自閉症、三男は知的障害を伴う自閉症です。

長男はお腹にいるときから育ちが悪いことが気にかかっていましたが、生まれてからも、とても育てにくく、そのうち足が震えたり、しゃっくりが何時間も止まらなかったり、そして風邪をひいて病院行ったときに医師から、「長男は左脳がほとんどない。どの程度の障害になるかまだ分からないけれど、かなり厳しい状況だ」といわれます。

せっかく生まれてきてくれたんだから、なんとか前向きに考えようとしますが、障害というと、やっぱり子どもにも私たち親にも一生の問題で、もう死のうかと思うくらいに差別とか、いろんなことが浮かんできて、天地がひっくり返るような気分でしたといっています。


障害があってもいい絵を描く人もいれば、音楽を楽しむこともできる、どこかへ連れて行くことだってできる。

しかし医師からは、目が見えていない、耳が聞こえていない、手が動かない、歩けない、と全部の可能性を否定され、少しでも伸びる可能性はないでしょうか、とすがるような思いで医師に尋ねても、たぶん→生このままだといわれるのです。


翌年二男を授かるのですが、高機能自閉と呼ばれる知的障害のない軽度障害であることが分かります。

アインシュタイン、坂本龍馬、エジソンといった偉人、最近はビル・ゲイツなども似た障害だといわれていて、希望のあるほうにすがってなんとか乗り越えてきたといいます。


そして三男を授かるのですが、知的障害もある重度の自閉症だと分かります。


長男を重度心身障害者施設に入れたとき、佐々木さんは現実を直視できずに健常者と比較し「本当なら」と空想の中に自分を追いやり、自宅ではただ黙々と世話をするだけの生活でした。

ところが、「ケーキ」という言葉を聞くとニャッと笑い、唾液を飲み込むよう反応をした長男を見たとき、我に返ります。


まだ真白な心だった時に、私の声でその心を包んでやればよかった、一所懸命何かをつかもうと小さな芽を心の中にふくらませていた時、どうして話しかけてやらなかったんだろう、この子はきっとそれをずっと待っていただろうと思い後悔するのです。

二男は、保育園では手がかかり過ぎるといわれて毎日昼に帰され、小学校では教室を飛び出したり、服装はだらしなく、ものをボロボロ落とす、中学ではいじめで苦労するのですが、高校ではいじめもなく楽しい学生生活の中で成長します。

三男は、小学校に入学してから手がかかり、池で泳ぐ、他人のものを壊す、小石を食べる、先生の髪をつかんだり、噛みついたり、蹴ったりという状態でした。

それらの事件や出来事は、保育所や学校に提出する連絡ノートに書き記され、膨大なページとなりいつしか「佐々木エッセイ集」と呼ばれていました。


今、佐々木さんは、子どもたちがいろいろな経験をすることにより、人に頼む知恵や機転が備わり始め、それに伴って、この子どもたちが普通の子だったら、とも考えなくなったといいます。

それは子育ての経験から自身が強くなり、また、助けていただいた多くの人たちに支えられたからだと、そしてそう思える自分が好きだと佐々木さんは語ります。


障害者も健常者も生きるということには、何も変わるところはない。

一日一日を精一杯生きて、心をこめた仕事をすればきっと結果が出、そこには人を隔てる垣根はない。

何もないように見える一日もどこかに続く大切な一日で、そこには、感動するものや人を動かす何かがきっと存在するものだと思う。



さん さん さん―障害児3人子育て奮闘記 (新潮文庫)さん さん さん―障害児3人子育て奮闘記 (新潮文庫)
佐々木 志穂美

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ジャンル : 育児

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Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

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