FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

見えない世界を撮る
平凡だった少年がある日カメラと出会い、18歳で単身フランスに渡り写真家になった増浦行仁(ますうら・ゆきひと)さんの話です。

増浦さんは母一人子一人の家庭で育ち、呉服屋を営んでいた母親に厳しくしつけられていました。

12歳の時、「俺は土門拳になる」と言って朝カメラを持っては家を出て、夜帰ってきて、そしてトイレを暗室にして明け方まで現像し、翌日は昼頃からまた写真を撮りにいくという毎日だった。

とにかく撮ることが好きで、お寺を撮ったり、風景を撮ったり、人を撮ったりしていたといいます。

母親には「高校に行くから」と嘘をついて当時38万円もするスウェーデンのハッセルブラッドというカメラを買ってもらいます。


高校はなんとか入るものの、すぐにプロヘの道を歩もうと、わずか3ケ月で退学願を出し、わずか15歳で自分の進む道を決めます。

最初はコマーシャルフォトスタジオのアシスタソトをするのですが、先輩たちが独立していくのを見て、「自分もここを飛び出して一流のカメラマンになろう」と思い立ちます。

当時、土門拳が入院していたこともあり、「どうせなら世界で1番の人につこう」と思って、ギィ・ブルダンというフランスの写真家の弟子になることを一人で決めます。

このブルダンという人は『パリ・ヴォーグ』誌で、当時年間十数億円で契約していた写真家でアート業界では伝説の人物です。


弟子入りしようとフランスに飛び出したものの、ギィ・ブルダンの居所も、顔さえも分からない、おまけにフランス語も英語もまったく分からず、空港からパリ市内に行くのに2日もかかっています。

考えた末、まず日本大使館に行って日本人会のことを聞き、そこで紹介してもらった通訳の人にお願いして「ギィ・ブルダン氏はいますか?」と紙に書いてもらい、それを手にヴォーグ社を訪ねます。

当然門前払いにあうのですが、今度はトレーナーの前と後ろに『私はあなたのアシスタントになるために、はるばる日本から来ました』と書いてもらい、ヴォーグ社の前で座り込みを1年間続けます。


そんな増浦さんの姿を『パリ・ヴォーグ』の編集をされていた元トップモデルの松本弘子さんという方が見つけて声をかけます。

「あなたのことをずっと見ていました。そのうち諦めるだろうと思っていたけど、よく頑張ったわね」と言って、ブルダンに紹介し雇われることになります。

ブルダンの写真は本当に鮮烈で、いつも吟(うな)りたくなるほど見事な出来栄えだったと語っています。

日中は彼の雑用係をし、夜は生活のためにアイロンがけなどいろんなアルバイトをしながら、カメラを手にする余裕もない日々を過ごしたある日、「こんなことをやっていていいのだろうか……」という不安が日に日に大きくなり、1年ほどたったある日、ブルダンの元を離れる決心をします。

いったん日本に戻り、運転手やアシスタント、広告写真の仕事など、いろんな挫折も味わいながら、再び写真家としてフランスに降り立つことができた時、増浦さんは24歳になっていました。

そして、頭に浮かぶ土門拳やブルダンのイメージを振り払い、自分は自分なりに「写真を通して三次元を二次元に変えていこう」と決意します。


そしてロダン、ブルデル、マイヨールの三大巨匠の彫刻に狙いを定めて、撮っていくこととなります。

しかし、正面から「撮らせてください」と言ったら「撮影許可にこれだけかかります」いわれる。

だから最初に行った時に無許可で撮って、写真を美術館の館長にプレゼントする。

すると気に入ってくれたら撮影許可は下ります。

こうしてルーブル美術館の館長にしても、マイヨール美術館の館長にしても、撮影許可にお金は一切かからなかったといっています。


それらの写真は、いまでもルーブル美術館でポストカードとして売られています。

ところが三大巨匠の彫刻を撮ることに飽きてきたころ、増浦さんの気持ちに変化が現れます。

「物があるもの」を撮るのではなく、「物がないもの、見えないもの」を撮りたいと考えるようになります。

増浦さんがそのターゲットとして選んだのは、ミケランジェロの魂でした。


彼の作品には、彫刻ではない「魂」があるといいます。

イタリア政府とバチカンを3年がかりで説得、出資者から数千万円の金額を出資してもらい7年後、奇跡と称されるミケランジェロの十字架を背負うキリスト像が撮影されます。

増浦さんは、アーティストは自分の気持ちや感性に嘘があってはならないといいます。

人は常に自分を高め深い感動とともの奮起して人生を生きていくことが必要であると思う。

そして増浦さんの記事を読んで、夢は絶対に叶うもので、「何になりたい」ぐらいの思いではなく「何々になる」という強い意志で夢に向かって進むことが大切であると感じた瞬間です。



おれは土門拳になる―“奇跡の光”にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方おれは土門拳になる―“奇跡の光”にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方
村尾 国士

アートン 2003-10
売り上げランキング : 67014

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 人気ブログランキングへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ



スポンサーサイト



テーマ : 写真
ジャンル : 学問・文化・芸術

Secret
(非公開コメント受付中)

ライフスタイルランキング
 人気ブログランキングへ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
ブックマーク
MicroAd
Amazon
Ads by Amazon
人生の道しるべ月別アーカイブ
人生のカテゴリーメニュー

Plug-in by
@激安・割安・おすすめ商品@

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Amazon Free
RSSリンクの表示
人生の道しるべプロフィール

ニック

Author:ニック
■ニックネーム:人生の彷徨人
■住まい:神奈川県
■半世紀を過ぎた人生を振り返り、4人の息子に囲まれながら第二の人生を歩んでいます。

記事から探す
人生のヒントとなる言葉を入力して「検索」をクリックしてください。
P R
人生の道しるべ最新記事
人生の大切なリンク友
人生の道しるべ最新コメント
お気に入りのブログ
人生の道しるべ最新トラバ